2016年6月30日木曜日

武道と政治は親和性が高い

名古屋市役所合気道部のお知らせ(44)


 こんばんは。6月も終わりですね。7月の選挙も近づいてきました。期日前投票はする方は快適ですが、事務従事する人は本当に大変です。ご苦労さまです。


 さて、今回はあなたがあまり知らない、武道・武術と政治の関係について簡単にお話します。


 武道・武術が体制側勢力と結びつきたがる傾向は、戦国時代以前からあった様です。いわゆる「練達の士」が日本各地で、諸侯の食客として召し抱えられた記録が武道全般にあります。自分が命がけで身につけた武芸の術を諸侯の家来に教えたのです。これらは戦場ですぐ使える血なまぐさい技ばかりだったでしょう。戦国時代はまさに諸侯が生死を掛けて戦う日々だったのです。

 武芸者と諸侯の関係は、徳川幕藩体制初期まで続いていたようです。そのあとは、安定期に入り、各藩お召し抱えの品の良い武術師範が代々範士に武術を教えて生計を立てていたわけです。言わば、武芸者のサラリーマン化です。しかしこの構図は明治維新で一変します。武術全般が軽んじられる時代になったからです。西洋式の鉄砲と大砲の時代が到来したのです。軍隊の洋式化により武術は廃れ、武芸で生計を立てる者は激減しました。

 しかし、富国強兵のかけ声の元、剣術、柔道などが徐々に軍隊と結びつき、兵士の鍛錬に使われていきます。合気道も開祖の植芝盛平氏が大正・昭和初期の軍高官を弟子にしていたことは有名な事実です。また、第二次世界大戦中には軍隊に出張稽古に行っていたことも公式に記録されています。明治維新を経て生き残った武術全般が生死を賭ける血なまぐささを帯びていたので、兵士を訓練することに何も違和感が無かったことでしょう。

 また、武術家たちの多くはいわゆる名士たちの後援を受けることを是としました。道場経営と弟子集めが容易になったからです。かくして、戦前には一部の武術家、軍部、政治家の結びつきが強固になりました。しかし、1945年の敗戦でその関係が一旦白紙にもどされます。GHQが武術全般を禁止したからです。合気道も雌伏する時代がありました。しかし、昭和30年代には合気道は自衛隊や駐留米軍にも近づいて、独特の拡大を遂げます。もちろん、剣道や柔道と比べればささやかではありますが。

 組織の伸張に政治家の力は当然必要ということで、合気道に限らず大きな武道団体は保守系の政治団体と結びつきます。政治家にとってみれば、顔が売れ、票もある程度集められるので、武道団体の名誉職を断る理由はありません。いわゆる、持ちつ持たれつの関係が今も続いているわけです。別に善し悪しを問うつもりはありません。武道(合気道も含めて)と政治の結びつきが昔から強いことを解説したまでです。私はそういう結びつきが好きになれませんが。


 今回は、あなたが一応覚えておいた方が良い武道と政治の関係についての知識を最小限お伝えしました。


 さて、今年の夏もまた猛暑になりそうです。体調管理に気をつけましょう。何をするにつけても身体が資本ですから。



    
                        師範 白井敬二




【7月の稽古予定表】


枇杷島スポーツセンター 第二競技場 午後6時15分〜7時15分

6日、13日、20日、27日(すべて水曜日)



北スポーツセンター     第二競技場 午前10時〜11時30分


3日、10、17日、24(すべて日曜日)





*いずれの会場も稽古1回ごとに300円の会費をお支払いいただきます

(入会金なし)。ただし、枇杷島スポーツセンターでは、個人使用料200円が別途必要です。







【重要】(入会について)

   見学、お試し期間を経て、師範から正式に入会を許可され、入会申込書を提出して、正式な部員になります。まずは見学からどうぞ。入会者は基本的に名古屋市役所職員、家族、OB・OGです。

   見学希望者は、 師範の白井敬二まで、まずメールでご連絡ください。 質問もOKです。
(メールアドレス)cba31680@pop06.odn.n.jp

   その際には、件名を「合気道」とお書きください。所属と、氏名、電話番号も明記してください。なお、時々返信メールが届かない場合あります。私からの返信メールが届くように、必ず、着信拒否の設定を外しておいてください。