先回の記事の終わりで、ケガのことを書きました。今回はもう少し詳しく書いてみます。
かつては武道・武術の稽古に怪我はつきものという風潮がありました。私の師匠の岩田一師範も植芝盛平師に鎖骨を折られたことがあったと語っていました。「(植芝氏は)恐ろしい人だった」とも語っていました。どんな状況だったかは詳しく語りませんでしたが、初期の植芝道場の稽古の厳しさを感じます。
さて、私自身は稽古中に骨折など大きな怪我をしたことはありません。元々腰痛を改善しようとして始めた合気道ですから、怪我ばかりしていたらすぐやめていことでしょう。そういう意味では、入門当時に岩田師範がすでに70代後半になっていて随分と稽古内容が優しくなっていた(と古くからのお弟子さんたちに聞きました)ことも幸いしました。ただし、二教の極め技などは肩が外れるかと思うほど厳しく極められました。甘い技をかけると弟子が舐めると岩田師範は思っていたのだと思います。でも、後遺症が残るようなことは一切ありませんでした。絶妙のポイントで技を止めていたのでしょう。弟子の限界を見極めることも、優れた指導者に必要な資質です。
とは言うものの、長いこと稽古を続けていますとよく使う靭帯などに蓄積疲労が起きます。私の場合、右肘が内側に湾曲して真っ直ぐに伸びません。これは日常生活に影響を及ぼしません。しかし、10年くらい前から発生し始めた右肩の痛みは就寝時にも感じるため、QOLを下げています。数年前から多くの整形外科、接骨院を梯子しましたが、レントゲンやMRIで調べても痛みの原因や場所の特定さえできない有様です。現代医学の限界を感じます。現在はスポーツ医学を標榜する整形外科に通っていますが、成果は未定です。まあ、動けば良いと割り切るくらいで良いのでしょう。
以前にも書きましたが、合気道の稽古も瞬発的な荷重によって筋肉や腱に負担をかけますから、長い目で見て準備運動や整理運動は不可欠だと思います。特に整理運動を5分やるだけで適切にクールダウンができ、翌日の筋肉痛がぐっと減ります。長期的な効果は言うまでもないでしょう。
最後に、少し居合の話をします。私は約20年前から居合の稽古を始めましたが、始めて1年後には真剣を使うようになりました。現在も真剣を使っての稽古です。真剣でなければ本当の居合の稽古にならないと考えたからです。大きな投資でした。そして、触れれば切れる真剣ゆえに何回か怪我をしました。縫うことが必要なほどのケガは2回です。誤って刃を握ってしまう(押し付けてしまう)事故は時々起こります。刀剣好きの前田日明は刀の手入れをしていた時に、親指が落ちそうになるほどの怪我をしたそうですが、それは彼の怪力ゆえです。刀剣を扱う時に精神の集中を切らすことは命取りになりかねません。
師範
白井敬二
(PS)名古屋市役所職員の方は日曜日の稽古に参加してください。平日は忙しくて無理でしょうから。
(参考)
1)北スポーツセンター合気道教室および名古屋市役所合気道部稽古風景 徒手
2)北スポーツセンター合気道教室および名古屋市役所合気道部稽古風景 対武器
3)北スポーツセンター合気道教室および名古屋市役所合気道部稽古風景(3)武器対武器
【12月稽古予定表】
・枇杷島スポーツセンター 水曜日 夜 第2競技場 午後6時00分〜7時30分
3日、17日
・スギ薬局知立市福祉体育館 水曜日 午後 柔道場 午後3時〜4時30分
10日、24日
・北スポーツセンター 午前10時〜11時30分
改修工事のため2025年12月から2026年3月まで使用不可のため、一時的に以下で稽古します。
北生涯学習センター和室 午前10時〜11時30分
7日、14日
北生涯学習センター 第1集会室 午前10時〜11時30分
21日
*稽古代はどこでも一回1,000円です。入会金はありません。
【重要】(稽古生の募集)
新規稽古生を募集中です。特に護身術として合気の術を学びたいという女性を1〜2名募集します。一回だけの稽古でもOKです。参加希望者は事前に白井までご連絡ください。以下のアドレスです。氏名、武道歴など教えてください。なお、当方からのメールが受信できるようにしておいてください。
h10zpg9ea5@hi3.enjoy.ne.jp