2018年9月30日日曜日

一生涯役立つ「受け身」の欲しい人はいませんか?

名古屋市役所合気道部のお知らせ(71 )



 朝夕だいぶ涼しくなりました。お元気でしょうか。今、台風24号の猛烈な風雨に襲われています。怖いくらいの強さです。

 さて、合気道に護身的要素があることは過去に何度か説明済みですが、合気道を習えば、間違っても暴漢や犯罪者に対処できるとは思わないことです。対処できる人は何も習っていなくてもできるのですが、そんな例はごく稀です。攻撃に対処するためには極めて高い動体視力と反射神経が必要だからです。そして、実戦も欠かせません。血なまぐさい話です。普通の人が選ぶ道ではありません。

 そんなわけで、護身のために武道を習ってもたいていの場合、直接的には役立たないと認識してください。ただし、「用心深さ」や「危険を事前に察知する能力」はある程度高まりますので、そこに注目することは正しい判断です。しかし、さらに効果的なのは転倒したときの怪我防止です。

 合気道の受け身は「回転受け身」を基本にしていますが、間に合わなければ柔道のように畳を手で叩く受け身もします。重大事故につながりやすい後頭部への衝撃を緩和する身ごなしが稽古の中で自然に身につくのです。何しろ、一回の稽古でも数百回は受け身をしますから、どんな不器用な人でも間違いなく上達します。実際、合気道の個々の技など生活する上では生涯使うことがない方がいいに決まっています。危険で、人を傷つける可能性がありますから。

 一生涯使える怪我防止のための受け身を習いたいあなたには、合気道が習得のための最適の方法です。


師範  白井敬二









10月の稽古予定表】

枇杷島スポーツセンター 第二競技場 午後615分〜715

3日、10日、17日、24(すべて水曜日)



北スポーツセンター  第二競技場 午前10時〜1130

7日、14日、21(すべて日曜日)




*いずれの会場も稽古1回ごとに300円の会費をお支払いいただきます。枇杷島スポーツセンターでは、個人使用料200円が別途必要です。

2018年9月1日土曜日

日常生活に役立つことが大切

名古屋市役所合気道部のお知らせ(70 )



 残暑厳しい日の続く昨今ですが、お元気ですか?

 今回は何について書こうかと考えていたら、ふと思い出したことがあります。師匠から伺った話です。何かのときに「合気道の技が役に立つことなどほとんど無い」と言われたことがありました。私が何か武勇伝のようなものはありませんかと尋ねた時のことだったと思います。それでも、満鉄(満州鉄道)の駅で暴れるロシア人を四教で極めて警察に連行したことがあったとお話してくれました。詳細な状況説明はありませんでしたが、ロシア人は酔っ払いだったそうです。

 さて本論なのですが、上記の話をされてから、こう言われたことがより印象的でした。「道場で習う合気道を実戦で役に立たせるよりも、合気道の心、つまり人と争わないことや争いを未然に防ぎ、あるいはやり過ごすこと、さらに合気道の技を考える時のように社会全般の出来事を合理的に考え、対処することの方がずっと大切であり、そこに合気道を学ぶ価値があるというものだ」。

 師匠のこういう態度は子どもたちに合気道を指導しているときにもよく現れていました。「合気道は生活全般に役立たなくてはいけない。合気道をやったことで学校の成績が下がるようなら、稽古に来てはいけない」と子どもたちに語っていました。

 さて、そんなことを思い出しながらニュースを見ると、超大型台風21号が近づいていますね。風速75メートルなんていう数字は見たことがありません。その割に世間の声が平静なのに驚かされます。未曾有の天災が予想されるのですから、十分な準備をし、動向を注視し、早め早めの行動が絶対に必要です。


 こういう場合、「平常性バイアス(心理学用語で、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性のこと)」に支配されることは禁物です。「気にかかることはあるけれど、いままで何事もなかったから今回も大丈夫だろう」と思う時点で既に平常性バイアスに陥っています。あなたの身の周りをもう一度見直し、合理的に考え、万全の準備をしてください。


師範  白井敬二









9月の稽古予定表】

枇杷島スポーツセンター 第二競技場 午後615分〜715

5日、12日、19日、26(すべて水曜日)



北スポーツセンター  第二競技場 午前10時〜1130

2日、9日、16日、23日、30日(すべて日曜日)




*いずれの会場も稽古1回ごとに300円の会費をお支払いいただきます。枇杷島スポーツセンターでは、個人使用料200円が別途必要です。