先回の記事で2002 AIKI EXPO ラスベガスのことを書きましたが、帰国後少しして居合道を始めました。岩田師範に習った合気道の剣術が柳生新陰流(尾張柳生)由来のものだったのですが、剣をもっと深く学びたいと思いました。当時たまたまYouTubeで観た居合の黒田鉄山師範の動きに憧れの念を抱いたのが直接のきっかけでした。一度は彼の道場に見学にも行きました。見えない動きを目の当たりにして、自分もできるようになりたいと思ったことを今でも覚えています。
たまたま地元の知立市に柳生新陰流居合を教えていた鈴木安近師(故人)がいましたので、入門しました。1年ほどは鈴木師範の家の道場に通っていたのですが、ある時私が岩田師範のことをさかんに語ると機嫌を悪くし、破門になりました。どうしようかなと思っていたのですが、鈴木師範が通いで教えていた別の人の道場があったので、そちらに素知らぬ顔で入門しました。鈴木師範も何事もなかったかのように応対してくれました。
鈴木師範の教えは昔ながらの「観て覚えろ」方式でした。褒められたことは一度もなかったように記憶しています。とにかく厳しい教え方でした。彼が習った鹿島清孝師範の教え方を受け継いでいたのでしょう。あまり覚えの良くない私は技の名前が覚えられず苦労しました。技の名前が完全に覚えられたのは人に技を教えるようになってからのことでした。数年習ったところで、鈴木師範が胃がんを発症し、亡くなり、2014年頃、それまで通っていた道場を辞めました。ちょうど退職した時期でアンゴラに地雷の調査に出かける直前でした。
居合を習って合気道にどう活かせたかと問われると、直接的に役立ったことはないと答えています。両者はまったく別物です。しかし、最近柳生新陰流の柄の持ち方に「合気の術」につながる秘密(大袈裟です)があることがわかりました。柄を持つときに親指と人差し指で「龍ノ口」を作るのですが、その意味がわかったということです。小指球筋を使う刀の操作により合気をかけられるのです。
私は居合を始めて2年目には真剣を使い始めました。これまで20年ほどずっと真剣を使ってきた中で、3度怪我をしました。そのうち外科で縫ってもらうような怪我は2回です。よく切れる刀は切った刹那に血が流れません(大動脈を切れば別でしょうが)。少し経ってじわりと血が出てきて、その後かなり激しく出血します。そんな経験から止血の方法も学びました。ともかく、真剣を使うことで緊張感が身につきます。気を抜いて刀の操作をするとすぐ怪我につながることが身を持って経験できています。もう一度大きな怪我をしたら居合も終了にしようと思っています。居合は全身の筋肉を瞬時に使う必要がありますので、年齢的な限界があります。その日をいつまで先送りできるかが目下の私の課題です。ちなみに私の居合術は2名の優れた弟子たちに受け継がれていますので、私はいつでもリタイアできます。
今回は居合に関連した話をあれこれしました。YouTubeに私が上げた居合の教材が数十本あります。興味があったら「柳生新陰流居合」で検索してみてください。習ってみたい人は連絡してください。折り合いがつけば前向きに考えます。
今回の記事はここまでです。
師範
白井敬二
(PS)名古屋市役所職員の方は日曜日の稽古に参加してください。平日は忙しくて無理でしょうから。
(参考)
1)北スポーツセンター合気道教室および名古屋市役所合気道部稽古風景 徒手
2)北スポーツセンター合気道教室および名古屋市役所合気道部稽古風景 対武器
3)北スポーツセンター合気道教室および名古屋市役所合気道部稽古風景(3)武器対武器
【11月稽古予定表】
・枇杷島スポーツセンター 水曜日 夜 第2競技場 午後6時00分〜7時30分
なし
・スギ薬局知立市福祉体育館 水曜日 午後 柔道場 午後3時〜4時30分
12日、26日
・スギ薬局知立市福祉体育館 水曜日 午後 剣道場 午後3時〜4時30分
5日、19日
・北スポーツセンター 午前10時〜11時30分
・第2競技場
23日、30日
・NASPAスタジオ
2日、9日、16日
*稽古代はどこでも一回1,000円です。入会金はありません。
【重要】(稽古生の募集)
新規稽古生を募集中です。特に護身術として学びたいという女性を1〜2名募集します。一回だけの稽古でもOKです。参加希望者は事前に白井までご連絡ください。以下のアドレスです。氏名、武道歴など教えてください。なお、当方からのメールが受信できるようにしておいてください。
h10zpg9ea5@hi3.enjoy.ne.jp