2017年12月31日日曜日

年末の挨拶に代えて

名古屋市役所合気道部のお知らせ(62)




 2017年が終わり、2018年が始まります。ですが、時間はしょせん人間が作り出した便宜上の「道具」に過ぎません。言うならば、外から押し付けられた「枠」です。

 時間どころか、何から何まで外からの規制枠にとらわれている私たちの人生ですが、自分自身の内側から自然に心身をコントロールできるようになることに大きな意味があると信じます。

 そのための方法はいくつもあるでしょうが、合気道の稽古も体技心の順で少しずつコントロール力を得られるようになる有力な方法です。

 楽しく稽古を続けていきましょう。



師範 白井敬二







1月の稽古予定表】

枇杷島スポーツセンター 第二競技場 午後615分〜715

10日、17日、24日、31(水曜日)



北スポーツセンター  第二競技場 午前10時〜1130
7日、14日、21日、28日(すべて日曜日)




*いずれの会場も稽古1回ごとに300円の会費をお支払いいただきます

枇杷島スポーツセンターでは、個人使用料200円が別途必要です。







【重要】(入会について)

   見学、お試し期間を経て、師範から正式に入会を許可さ

れ、入会申込書を提出して、正式な部員になります。まずは

見学からどうぞ。入会者は基本的に名古屋市役所職員、家

族(子どもは小5くらいから)、OBOGです。


   見学希望者は、 師範の白井敬二まで、まずメールでご連絡

ください。 質問もです。


(メールアドレス)white1000million@gmail.com





   その際には、件名を「合気道」とお書きください。所属と、氏名、電話番号も明記してください。なお、時々返信メールが着信拒否で届かない場合があります。私からの返信メールが届くようにしておいてください。

2017年12月2日土曜日

私の先生のお話(4)

名古屋市役所合気道部のお知らせ(61)




 こんにちは。私の先生のお話の4回目です。


 師匠とのことをいろいろ書いて来ましたが、今回で一旦終わりにします。

 今回は私と師匠との危ない一瞬です。まだ暑い季節の土曜日でした。私がいつもより早く師匠の道場に到着し、門扉を開けると、師匠は庭の草取りをしていました。野良着に帽子と手袋をして小型の鎌で作業中の横顔が見えました。

 遠くから声を掛けるのもどうかと思って近づいていきました。3メートルくらいまで近づいた時です。鎌を持っていた手が止まり、全身から「殺気」が立ち上っているのです。

 漫画の世界なら、湯気のような殺気を描くのでしょうが、現実の世界ではそれはありません。しかし、沈黙と静止した姿から、それ以上近づいたら攻撃されるという明白な「サイン」を感じました。

 これは危ないと思い、咄嗟に「白井です、先生」と声を掛けたのですが、一瞬向けられた顔を見て寒気がしました。まさに戦う者の「貌」でした。しかし、それがすっと消え、いつもの柔和な顔になりました。その間コンマ何秒かでしょう。

 その時思ったのは、武道家に近づく時に無言は禁物だということです。G13の漫画では無言で背後に回った人間をゴルゴが即座に打ち倒す場面が出てきますが、イギリス陸軍のSAS所属の兵士が家でくつろいでいた時に後ろから目隠しをしてきた娘を無意識に攻撃して重症を負わせた事件があったそうです。また植芝盛平の師匠、武田惣角が自宅で眠っていた時、枕元に起こしに来た息子の武田時宗に小刀で切り付け負傷させた事件を記した書物もあります。

 常々いつ誰に教われるかも知れないという心身の備えが咄嗟に身体の反応を起こさせるのでしょう。私の師匠も、「今までに多くの人に恨まれて来た」と私に呟いたことがありました。深くは語りませんでしたが、武道の話であることは間違いない無いようです。


 武道の世界は突き詰めていくと「深淵を覗き込む」の感があります。「超人」などを目指すのではなく、楽しく、健康のために、和気あいあいと長く続けるのが良いように思えます。



師範 白井敬二







12月の稽古予定表】

枇杷島スポーツセンター 第二競技場 午後615分〜715

6日、13日、27(水曜日)



北スポーツセンター  第二競技場 午前10時〜1130
3日、10日、17日、24日(すべて日曜日)




*いずれの会場も稽古1回ごとに300円の会費をお支払いいただきます
枇杷島スポーツセンターでは、個人使用料200円が別途必要です。







【重要】(入会について)

   見学、お試し期間を経て、師範から正式に入会を許可さ

れ、入会申込書を提出して、正式な部員になります。まずは

見学からどうぞ。入会者は基本的に名古屋市役所職員、家

族(子どもは小5くらいから)、OBOGです。


   見学希望者は、 師範の白井敬二まで、まずメールでご連絡

ください。 質問もです。


(メールアドレス)white1000million@gmail.com





   その際には、件名を「合気道」とお書きください。所属と、氏名、電話番号も明記してください。なお、時々返信メールが着信拒否で届かない場合があります。私からの返信メールが届くようにしておいてください。

2017年10月31日火曜日

私の先生のお話(3)


名古屋市役所合気道部のお知らせ(60)




 こんばんは。私の先生のお話の3回目です。


 今回は私と先生とのやり取りについて印象深いもの、記憶に残っているものをいくつか取り上げてみます。


 まず、入門して間もない頃に、技の細部について先生に尋ねてみたときです。苦笑して「君は理屈が多いな」というようなことを言われました。初心者は技を「真似る」ことから始めるものだ、ということが前提にあったのでしょう。

 文献をいろいろ読んでみると、開祖植芝盛平師も技の細部の説明は一切しなかったように書かれています。それが標準的な武道の世界の教授法なのでしょう。よく「技を盗め」と言われますが、まさにそれです。


 次に覚えているのが、「白井くん、この世界には『天才』が必要なのだよ」と言われたことがあります。詳しい状況を覚えていませんが、多分私の技がうまくできなかった時だったのでしょう。何度やっても上達しない弟子に愛想をつかしたのかも知れません。

 でも、今となって考え直すと、何の世界でも同じことのように思えます。芸術の世界でも最初からすばらしい出来栄えの芸術家の卵がいます。

その道で一流になろうとするなら、持って生まれた才能が必要だ、さらに3歳から始めないとモノにはならないと、やけに稽古熱心な30歳過ぎの新入りの弟子に妙な期待を持たせないように諭したかったのかも知れません。


 3つ目の記憶は、何か先生と二人だけで話していて、道場経営の話になった時のことです。こんな話ができるくらいですから入門からかなり後のことです。

 こう言われました。「白井くん、武道は飯の種にするものではないよ」。当時道場に生徒が数人しかいなかったこと、そして入れ替わりが激しかったことが背景だったかも知れません。あるいは、武道人口がそれほど多くないことを指していたかも知れません。


 その後私も道場を持つことになって分かったことは、道場経営には、武道の技よりも経営的な手腕が必要だということです。特に子どもを入門させるについては、親の希望を正確に受けとめなければなりません。

 例えば、礼儀正しくさせたい、落ち着いた態度を身につけさせたい、引っ込み思案を直させたい、などの要望が親の希望のメインになりますが、その点を強調したチラシ作りなどが必要です。

 何にしても、専業にするには大変な努力が必要です。ですから、そんな苦労を買ってまでプロにはなるな、という忠告だったのでしょう。ありがたいことばだと今では感謝しています。

 
 今回はこれくらいにしてきます。



師範 白井敬二







11月の稽古予定表】

枇杷島スポーツセンター 第二競技場 午後615分〜715
8日、15日、22日、29日(水曜日)



北スポーツセンター  第二競技場 午前10時〜1130
5日、12日、19日(すべて日曜日)




*いずれの会場も稽古1回ごとに300円の会費をお支払いいただきます
枇杷島スポーツセンターでは、個人使用料200円が別途必要です。







【重要】(入会について)

   見学、お試し期間を経て、師範から正式に入会を許可さ

れ、入会申込書を提出して、正式な部員になります。まずは

見学からどうぞ。入会者は基本的に名古屋市役所職員、家

族、OBOGです。


   見学希望者は、 師範の白井敬二まで、まずメールでご連絡

ください。 質問もOKです。


(メールアドレス)white1000million@gmail.com


   その際には、件名を「合気道」とお書きください。所属と、氏名、電話番号も明記してください。なお、時々返信メールが届かない場合あります。私からの返信メールが届くように、必ず、着信拒否の設定を外しておいてください。


2017年9月30日土曜日

私の先生のお話(2)


名古屋市役所合気道部のお知らせ(59)




 こんにちは。私の合気道の先生の2回目です。

 先回は先生が戦後に帰国するところまでお話しました。今回はその続きと、先生の技について少しお話します。


 帰国後、何時からか不明ですが、長く一宮市の市会議員を務められたと伺いました。その間しばらくは道場を開かず、一宮市での道場経営は1962年からです。

 古いお弟子さんに伺うと、鬼のような教えぶりだったそうです。戦前の厳しい武道教育がそのまま生きていたのでしょう。

 私が入門した1985年ころにはかなり優しいおじいさんという感じでしたが、眼光の鋭さは常にありました。そして、たまでしたが厳しい叱責もありました。それはものすごい迫力でした。

 迫力と言えば、保護司をしている時に多くの犯罪者を相手に話し、中には脅してくるような者も居たが、すべて「気」で圧倒したという話を伺ったことがありました。修羅場を何度もくぐり抜けて来たか先生だからこそのことばなのでしょう。

 その先生が、師匠である植芝盛平開祖を「怖い人」だったと評していたことを思い出します。具体的にどうこうということは、開祖との稽古で鎖骨を折ったことがあったことしか伺っていませんが、師匠を越えることはどの世界でも難しいことのようです。

 なお、植芝開祖について「超人」だという話が結構語られていましたが、先生曰く、「そんなことはない。普通の人間だ」と断定していました。そのあたりが、先生の合理的なところでした。尊敬する師匠でも偶像化はしないのです。

 さて、合気道の技についてですが、先生は、ある時を境に加齢による衰えで全般的に「効き」が無くなってしまったことを自覚し、技の掛け方に独自の工夫を加えたとよく仰っていました。つまり、スピードと力に頼るのではなく、テコの原理を始めとした物理法則を取り入れた合理的な技に組み替えたのだと説明されていました。初心者時代の私にはその教えがとても分かりやすかった記憶があります。

 その点については私も道場の指導の中で語っていますが、自分自身が技を使った時に実感して納得しないと理解できない世界です。大きく、力の強い人の理解は遅いように感じます。


 今回はこれくらいにしておきます。



師範 白井敬二







10月の稽古予定表】

枇杷島スポーツセンター 第二競技場 午後615分〜715
11日(水曜日)



北スポーツセンター  第二競技場 午前10時〜1130
1日、8日、15日、22日(すべて日曜日)




*いずれの会場も稽古1回ごとに300円の会費をお支払いいただきます
枇杷島スポーツセンターでは、個人使用料200円が別途必要です。







【重要】(入会について)

   見学、お試し期間を経て、師範から正式に入会を許可さ

れ、入会申込書を提出して、正式な部員になります。まずは

見学からどうぞ。入会者は基本的に名古屋市役所職員、家

族、OBOGです。


   見学希望者は、 師範の白井敬二まで、まずメールでご連絡

ください。 質問もOKです。


(メールアドレス)white1000million@gmail.com



   その際には、件名を「合気道」とお書きください。所属と、氏名、電話番号も明記してください。なお、時々返信メールが届かない場合あります。私からの返信メールが届くように、必ず、着信拒否の設定を外しておいてください。