2017年12月2日土曜日

私の先生のお話(4)

名古屋市役所合気道部のお知らせ(61)




 こんにちは。私の先生のお話の4回目です。


 師匠とのことをいろいろ書いて来ましたが、今回で一旦終わりにします。

 今回は私と師匠との危ない一瞬です。まだ暑い季節の土曜日でした。私がいつもより早く師匠の道場に到着し、門扉を開けると、師匠は庭の草取りをしていました。野良着に帽子と手袋をして小型の鎌で作業中の横顔が見えました。

 遠くから声を掛けるのもどうかと思って近づいていきました。3メートルくらいまで近づいた時です。鎌を持っていた手が止まり、全身から「殺気」が立ち上っているのです。

 漫画の世界なら、湯気のような殺気を描くのでしょうが、現実の世界ではそれはありません。しかし、沈黙と静止した姿から、それ以上近づいたら攻撃されるという明白な「サイン」を感じました。

 これは危ないと思い、咄嗟に「白井です、先生」と声を掛けたのですが、一瞬向けられた顔を見て寒気がしました。まさに戦う者の「貌」でした。しかし、それがすっと消え、いつもの柔和な顔になりました。その間コンマ何秒かでしょう。

 その時思ったのは、武道家に近づく時に無言は禁物だということです。G13の漫画では無言で背後に回った人間をゴルゴが即座に打ち倒す場面が出てきますが、イギリス陸軍のSAS所属の兵士が家でくつろいでいた時に後ろから目隠しをしてきた娘を無意識に攻撃して重症を負わせた事件があったそうです。また植芝盛平の師匠、武田惣角が自宅で眠っていた時、枕元に起こしに来た息子の武田時宗に小刀で切り付け負傷させた事件を記した書物もあります。

 常々いつ誰に教われるかも知れないという心身の備えが咄嗟に身体の反応を起こさせるのでしょう。私の師匠も、「今までに多くの人に恨まれて来た」と私に呟いたことがありました。深くは語りませんでしたが、武道の話であることは間違いない無いようです。


 武道の世界は突き詰めていくと「深淵を覗き込む」の感があります。「超人」などを目指すのではなく、楽しく、健康のために、和気あいあいと長く続けるのが良いように思えます。



師範 白井敬二







12月の稽古予定表】

枇杷島スポーツセンター 第二競技場 午後615分〜715

6日、13日、27(水曜日)



北スポーツセンター  第二競技場 午前10時〜1130
3日、10日、17日、24日(すべて日曜日)




*いずれの会場も稽古1回ごとに300円の会費をお支払いいただきます
枇杷島スポーツセンターでは、個人使用料200円が別途必要です。







【重要】(入会について)

   見学、お試し期間を経て、師範から正式に入会を許可さ

れ、入会申込書を提出して、正式な部員になります。まずは

見学からどうぞ。入会者は基本的に名古屋市役所職員、家

族(子どもは小5くらいから)、OBOGです。


   見学希望者は、 師範の白井敬二まで、まずメールでご連絡

ください。 質問もです。


(メールアドレス)white1000million@gmail.com





   その際には、件名を「合気道」とお書きください。所属と、氏名、電話番号も明記してください。なお、時々返信メールが着信拒否で届かない場合があります。私からの返信メールが届くようにしておいてください。

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