名古屋市役所合気道部のお知らせ(68 )
最近の死傷事件の多さに気づいている人も多いでしょう。ニュースになったものだけでも以下のようなものがあります。
2018.5.13 千葉市居酒屋死傷事件
2018.6.9 新幹線死傷事件
2018.6.11一宮市女子高生刺傷事件
2018.6.14久留米市歯科医刺傷事件
2018.6.19鹿児島県鹿屋市刺殺事件
2018.6.20群馬県大泉町刺殺事件
2018.6.21横浜市刺傷事件
2018.6.24福岡市刺殺事件
2018.6.25福岡市刺殺事件
まったく見も知らない人から突然切りつけられる、刺されるという事件は少ないのですが、皆無ではありません。新幹線死傷事件が典型的な事例です。
さて、以下はあなたから「今稽古している合気道の技法によって刃物による攻撃が防げますか?」と質問された場合の私の答えです。
「まったく防げないとは言い切れませんが、ほとんど役に立たないと思っておいた方が無難です」。
あなたはこの答えにがっかりするかも知れませんが、合気道の稽古や演武会での華麗な短刀取りの技は約束事の中で成立しているだけです。実際の短刀(ナイフ)による攻撃はもっとずっと強く、素早く、連続的で、動きも予測を超えるものがあります。もっとも、あなたがどんな人混みで全力疾走しても誰とも接触しないで済み、飛んでいるハエを箸で捕まえることができるくらいの動体視力と反射神経、瞬発力を持っているなら、話は別ですが・・・。
「武器を持った相手に素手で対抗しないこと」はセキュリティ関連の業務に携わっている者にはあまりにも当たり前なことです。一例を示すなら、警察官は「逮捕術」を訓練し、柔道その他の武道で日頃から身体を鍛えていますが、刺傷事件が起こった場合には「防刃ベスト」を着用し、「防刃手袋」を両手にはめます。犯人が制止の警告に従わず、攻撃してくれば、拳銃で撃ちます。刃物を持った本気の相手を素手で制圧することは、たとえプロでも無傷では済まないことを過去の多くの痛ましい事例から知っているからです。
では、あなたが突然の刃物攻撃にどう対処するかですが、対抗策は以下の順番となります。
1、逃げる
2、距離を取る
3、刃を通しにくいもので防御する
4、対抗できる武器(に代わるもの)を使って反撃する
1、は一流マラソンランナー並みのスピードで10分は走り続
けられる能力が必要ですが、非常に高い安全度を確保できま
す。あなたが走ることに自信があるなら非常にお奨めです。
ただし当然のことですが、閉鎖空間ではこの方法で逃れるの
は難しいですね。
2、相手の腕と刃物の長さよりも遠くにいれば、傷を負うことがないことは当たり前のことです。この方法で刃物攻撃に対処することはボクサーの行うステップワークの訓練である程度まで可能でしょう。しかし、強靭な足のバネと持久力、そして集中力が必要になります。
3、刃物を通さないものには、厚手のバッグ(中に本やノートなどが入っていればさらにベター)、アタッシュケース、ポーチなどが考えられます。完全に刃物を防ぐことは不可能でも、殺傷力を弱める効果は期待できます。使いこなすためには相当訓練を積む必要がありますが、やりがいはあります。なぜなら、実際に刃物による最初の一撃を防ぐ最も実用的で効果的な方法だからです。
4、この具体的な方法としては、一般的に催涙スプレーが挙げられます。しかし、日本ではあまり広まっていません。また、訓練を受ける機会も少ないのが現状です。
これ以上については、道場で個別に話します。
師範 白井敬二
【7月の稽古予定表】
枇杷島スポーツセンター 第二競技場 午後6時15分〜7時15分
4日、11日、18日、25日(すべて水曜日)
北スポーツセンター 第二競技場 午前10時〜11時30分
8日、15日、22日、29日(すべて日曜日)
*いずれの会場も稽古1回ごとに300円の会費をお支払いいただきます。枇杷島スポーツセンターでは、個人使用料200円が別途必要です。
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