先回の記事では私が感じていた合気道の技の限界について書きました。そりゃ、お前の鍛錬が足りないからだよ、と言われればそれまでです。しかし、それでは、合気道は「常に相手に勝たねばならない」という自己矛盾に陥ります。合気道は争わない平和の武道という曼荼羅は怪しいモノだと思っている人は多いでしょう。実際その通りです。ですが、この件については、今回はこれ以上述べません。
さて、今回はそれに関連する思い出話です。私が合気道を始めて数年経った頃に日系ブラジル人が入門しました。そのうちの一人がPSで、当時二十歳くらいでした。180cm、80kgのハンサムな男でした。素直な性格でメキメキ上達しました。私もできるだけ彼の手助けをしました。私は彼と気が合い、私的にも交友関係を結びました。彼は数年で帰国しましたが、帰国後にブラジルで道場を開きました。IWATA-SHIRAI DOJYOと名付けてくれました。警察や軍隊でも実戦的な合気道を教えていました。彼がいなければ、私がブラジルを訪れることもなかったでしょう。
しかし、2回目に彼を訪問した時に彼の妻から衝撃的な話を聞きました。彼が道場で武器技の指導中に警察官の弟子が突いた警棒が彼の右目に当たり、眼球破裂で片目の視力を失ったというのです。その時の詳しい話は本人から聞いていません。その後道場経営がどうなったかも知りません。ともかく、ブラジルでは弟子も稽古で本気で攻撃してくるということがわかっただけです。その話を聞いた時、彼に申し訳ないことをしたように思いました。自分の道場とはいえ、決して油断をしないようにと強く言っておくべきだったと思ったのです。彼が経験した一宮道場の稽古は互いに遠慮する(相手に怪我をさせないという)気持ちが常にありました。それが、仇になったのかもしれません。
相手が何をしてくるかわからない、という気構えであなたは稽古をしていますか?合同稽古に臨むと時折そういう危ない輩に出会います。黒帯になると特にそれを感じるかもしれません。厳しい言い方ですが、油断をすれば片目(片腕かも)を失うかもしれないという覚悟で稽古をして、初めて実戦的な稽古になります。護身術の手段として合気道を考えているなら、余計にその心構えが必要です。お互いに怪我はしたくないものですが、ギリギリのせめぎ合いもしておかないと本当に身を護れる稽古にならないというお話しでした。
今回はここまでです。
師範
白井敬二
(参考)
1)北スポーツセンター合気道教室および名古屋市役所合気道部稽古風景 徒手
2)北スポーツセンター合気道教室および名古屋市役所合気道部稽古風景 対武器
3)北スポーツセンター合気道教室および名古屋市役所合気道部稽古風景(3)武器対武器
【9月稽古予定表】
・枇杷島スポーツセンター 水曜日 夜 第2競技場 午後6時00分〜7時30分
3日、10日
・スギ薬局知立市福祉体育館 水曜日 午後 柔道場 午後3時〜4時30分
17日、24日
・北スポーツセンター 午前10時〜11時30分
・第2競技場
14日、28日
・NASPAスタジオ
7日、21日
*稽古代はどこでも一回1,000円です。入会金はありません。
【重要】(稽古について)
新規稽古生を募集中です。特に護身術として学びたいという女性を1〜2名募集します。一回だけの稽古でもOKです。参加希望者は事前に白井までご連絡ください。以下のアドレスです。氏名、武道歴など教えてください。
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