先回の記事で私が合気道を始めたきっかけがひどい腰痛だったことを書きました。しかし、実を言うともう一つ理由がありました。それは、私が小柄で暴力的で大きな人間に対して恐怖感を持っていたことです。それは高校生時代の通学電車でいじめを経験したことに発し、仕事でヤクザに直面する機会があったことにも影響されています。ともあれ、その恐怖感を合気道(小が大を制する!)でなんとか克服できないかと思ったからです。結果を言いますと、目論見は見事に外れました。むしろ、臆病さは増長されました。と言うのも、稽古を重ねれば重ねるほど、物理学(威力=スピード×体重)の法則がのしかかってきたからです。それでも若い頃(すでに30歳を超えていましたが)にはある程度スピードで誤魔化すことはできました。
ということで私が得意にしていた技の話です。小手返しと四教です。小手返しは相手の手を掴んでから回転して相手を倒す(投げる)までの時間をできるだけ短くするように自分なりに工夫しました。それで、かなり大きな相手にも対応できると思っていた時期がありました。しかし、相手がその気になればいろいろと逃げる手段があることもわかってきてがっかりしたものです。四教も相手の痛点を人差し指の付け根の骨で簡単に抑えられるようになるとかなり効く技がかけられるようになったと思いました。しかし、ひどく太い手首の持ち主や長く稽古している相手には痛点の痛みが耐えられてしまうこともわかりました。それで体重を増やすとか、握力を強化するなどに取り組みましたが、限界がありました。黒帯になる頃はひたすら相手を痛めつけて技を効かそうと考えていました。だから、余計に体格差、腕力差を強く感じました。今のようにYouTube でいろいろな流派のやり方が簡単に観られる時代ではなかったので、師範や先輩のやり方を真似るしかありませんでした。当時根本的な解決策は見つかりませんでした。そういえば、解決策が見つけられなかった技の一つに「合気上げ」があります。講習会などで大きく強い相手にグイと手首を捕まれ、全体重をかけられると道場とは違って両手が上がらないということが何度もありました。この点を師匠に尋ねても明確な答えは得られませんでした。良くて、「気が出ていない」という曖昧な答えでした。もう一つ顎を掌底で押し上げる入り身の技も、相手に顎を引かれグッと踏ん張られるとなんともならないことがありました。講習会ではきまりが悪いものです。私も同様にお返しをしましたが、後味は悪かったですね。これについては、後日先輩に尋ねたことがあります。その暴力的な先輩曰く、「鼻の両穴に指を突っ込んで奥まで進めれば良い」「両目に指先を突き入れれば良い」という荒っぽい答えでした。臆病な私には実行できない手段でした。
上記については今ではそれぞれ別の解決策を見つけましたが、どんな方法にも絶対はないのでこれからも研究を重ねるだけです。
今回はここまでです。
師範
白井敬二
(参考)
1)北スポーツセンター合気道教室および名古屋市役所合気道部稽古風景 徒手
2)北スポーツセンター合気道教室および名古屋市役所合気道部稽古風景 対武器
3)北スポーツセンター合気道教室および名古屋市役所合気道部稽古風景(3)武器対武器
【8月稽古予定表】
・枇杷島スポーツセンター 水曜日 夜 第2競技場 午後6時00分〜7時30分
6日、13日
・スギ薬局知立市福祉体育館 水曜日 午後 柔道場 午後3時〜4時30分
20日、27日
・北スポーツセンター 午前10時〜11時30分
・第2競技場
3日、24日
・NASPAスタジオ
10日、17日、31日
*稽古代はどこでも一回1,000円です。入会金はありません。
【重要】(稽古について)
新規稽古生を募集中です。一回だけの稽古でもOKです。参加希望者は事前に白井までご連絡ください。以下のアドレスです。氏名、武道歴、段位など教えてください。
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